高校野球「夏の甲子園」過密日程を解消する4つの提案!

2018年夏の高校野球・甲子園大会は、大阪桐蔭が史上初となる2度目の春夏連覇で幕を閉じました。

決勝に進んだ金足農業の戦いぶりも見事なもので、吉田投手をはじめとする選手たちの健闘ぶりは、準優勝に終わったとはいえ賞賛に値するものでした。

ただ残念だったのは、吉田投手が万全なコンディションで決勝戦に臨めなかったこと。

確かに両校の戦力差(総合力)は歴然としており、仮に吉田投手が100%の力を発揮したとしても、大阪桐蔭が有利だったのは間違いないと思います。


1,2回戦で対戦していたら…

しかし、何が起こるか分からないのが高校野球の醍醐味です。

もし両校が、1,2回戦あたりで対戦していたら、もっと違った結果(接戦)になったでしょう(金足農業が勝利したかもしれません)。

しかし、それでもなお、金足農業の優勝は難しかったと思います。

というのは、大阪桐蔭を撃破したとしても、吉田投手に負荷が掛かることに変わりはないので、決勝戦に登板するころには同じように疲労が蓄積していたに違いないからです。

決勝戦の相手が、本来の力を発揮して勝ち進んできた智弁和歌山だったとしたら、大阪桐蔭戦のように打ち込まれたかもしれません。

過密日程に問題あり!

勝負に「たら、れば」はありえないので、この議論は不毛ですが、一つ言えるのは過密日程に問題があるということです。

過去にも東海大相模の一二三投手、沖縄水産の大野投手などの大会屈指の好投手が悲壮な結果に涙した例は、数え上げたらきりがありません。
(沖縄水産の決勝の相手は、くしくも大阪桐蔭でした)

今年(2018年)から甲子園でもタイブレークが導入されるなど、それなりに選手の体調面への配慮がなされるようになりましたが、まだまだ不足しているのは明らかです。

投球数制限の導入は対策として有効か?

その対策として、よく取り上げられるのが、ピッチャーの投球数制限です。

確かに、投球数制限は投手の肩ひじを守るのに有効な手段だとは思いますが、いくつかの問題点も潜んでいます。

中でも多く指摘されているのが、私立強豪校が有利になる、ということです。

投球数に制限を設けるということは、好むと好まざるにかかわらず継投が必要になってきます。

そうなると、有能な複数投手を育成する必要があるので、私立強豪校が有利になるのは当然です。

他にも球数を投げさせるために、むやみにファールで粘るなど、フェアプレーぎりぎりの戦略をとる高校が現れるかもしれません。

さらに、不慮のアクシデントを考慮する必要もあります。

先発投手が試合序盤でなんらかのアクシデント(ピッチャー返しの打球が当たる、打撃中にデッドボールや自打球が当たるなど)で投球困難になることも考えられるからです。

この場合2番手投手は、ほぼ先発したも同然になるので、最後まで投げ切ることはできないでしょう。

つまり、3番手投手に継投せざるをえなくなるのです。

さすがに、レベルの高い3番手投手まで揃えるのは困難でしょう。
(連合チームで参加する学校であれば、2番手投手すら困難に違いありません)

このような問題を抱えているので、導入したほうが好ましいとはいえ、現実問題として投球数制限の導入は難しいのではないでしょうか。

理想論かもしれませんが、上から規制するのではなく、現場の指導者が率先して複数投手を育成し、積極的に継投する戦略が主流になってくれればと願います。

しかしながら、何らかの負担軽減策が必要なのは言うまでもありません。

実は2回戦から、すでに過密な日程に!

そこで私が提案したいのが、大会日程の緩和です。

最終的には夏の全国大会だけでなく、春夏秋の地区大会、春の選抜大会も含めた緩和策も必要になりますが、まずは夏の甲子園の日程緩和策に絞って考えてみました。

では、現在の日程はどうなっているのでしょうか?
緩和策を考える前に、現行の日程を確認してみましょう。

こちらが、現行の大会日程です。
現行大会のトーナメント表

これを見ると、よく指摘されるように3回戦以降の日程が過密で、勝ち進むと5~6日間で4試合をこなす必要があることが分かります。

さらに詳しく見てみると、26~37番のくじを引いた学校の場合、2回戦以降は7日間で5試合という過密ぶりです。

(日程的に一番恵まれているのは、38,39番のくじをあてた学校で、11日間で5試合となっています)

また、3番くじを引いた学校が不利な状況に置かれる(最後まで待たされたうえ、1回戦を勝利して場慣れした学校と対戦しなければならない)という問題もあります。

(過去のデータをみても、最後に登場する学校は大きく負け越しています)

出場校数の関係で1回戦不戦勝のチームが存在する以上、日程上の有利不利が生じるのは避けられませんが、可能な限り平等な条件を整える義務があるはずです。

現行の大会日程のここが問題!

要するに、現行の大会日程には次のような問題点があるのです。

  1. 大会第1日~第3日に登場した学校は、2回戦まで長く待たされる
  2. 大会第4~第5日に登場した学校は2回戦以降の日程が過密になる
  3. 3回戦以降は、くじ運にかかわらず日程が過密になる
  4. 最後に試合する学校が不利な状況に置かれる

出場校を50校にして、最後に試合する学校が不利にならないように

これらを踏まえたうえで、次のとおり提案します。

まず「最後に試合する学校が不利な状況に置かれる」問題を解消するために、出場校数を現在の49校から50校に変更します。

つまり、北海道と東京都を除いた45府県のうち、最も参加校の多い府県に追加する1校を割り当てるのです。

ただ、これではほぼ毎年同じ府県が対象となる可能性が高いので、次のように割り当て府県を変更します。

次年度以降は、前年度までに50校目が割当てられた府県と北海道、東京都を除いた府県のうち、最も参加校の多い府県に割り当てるようにし、50校目が割り当てられた府県が10府県に達したら初年度の割り当て方法に戻り、以後これを繰り返します。

ややこしい書き方になってしまいましたが、要は参加校の多い地区の順に交代で50校目を割り当てるということです。

これで「最後に試合する学校が不利な状況に置かれる」という問題は解消されます。

過密日程はこう解消する!

残るは過密日程問題です。

まず「大会第1日~第3日に登場した学校は、2回戦まで長く待たされる」問題については、2回戦を他会場で大会第5日目から早期に実施することで解消を図ります。

こうすることで、2回戦まで長く待たされる問題が解消されるとともに、余裕を持って3回戦に臨むことができるようになるはずです。

さらに「大会第4~第5日に登場した学校は2回戦以降の日程が過密になる」および「3回戦以降は、くじ運にかかわらず日程が過密になる」問題については、試合と試合の間に必ず2日間の休養日を挟むことで解消を図ります。

これらの対策案を盛り込んだのが、以下のトーナメント表です。
対策案を盛り込んだトーナメント表

どのブロックに入るか(くじを引くか)によって、多少のばらつきはありますが、現行の大会日程よりも大幅に過密日程が解消されていることがお分かりいただけると思います。

複数会場案でよく指摘のある、甲子園開催の意義(甲子園で試合することに意味がある)についても、初戦は必ず甲子園球場で試合ができるので聖域は守られています。

仮にこの案を採用すると、決勝進出校の甲子園球場での試合数は4となり、現行の5~6試合よりも減少しますが、高校球児がドーム球場で試合をする機会は少ないはずなので、これはこれでモチベーションが上がるのではないでしょうか。

軟式の全国大会も甲子園球場で

また、この案を採用すれば、軟式大会の甲子園開催も可能になります。
軟式大会の甲子園開催

硬式大会の会場を京セラドームに移したのちに、軟式大会を甲子園球場で開幕させ、準々決勝以降は硬式の部と交互に開催するのです。

高校野球が教育の一環というのであれば、軟式野球部にも甲子園球場の素晴らしさを体感してもらえるような配慮があってももよいのではないでしょうか?

また、準々決勝以降の間延び(あくまで見る側の都合ですが)も緩和できます。
対策案を盛り込んだ日程表表

まとめ

開催期間が現行の15日間から20日間に伸びること(雨天順延の考慮も必要)や、複数会場で円滑に開催するための人員確保などの課題もありますが、十分検討する価値のある案ではないかと思っています。

他にも予選や選抜大会、春秋の地区大会など、課題はいくつもありますが、まずは夏の甲子園だけでも日程緩和策を導入すべきというのが、私の結論です。

  1. 出場校数を50校に
  2. 複数会場(京セラドーム)で開催を
  3. 試合間に最低2日の休養日を
  4. 軟式大会も甲子園で開催を

5件のコメント

  • へのへの

    他会場?京セラ?馬鹿じゃないの笑
    高校野球経験者ならその案に賛同する奴はいないし余計なお世話。帰宅部のお前が考えたカス案をいちいち発表しなくていいよ。

    • RiverSpring

      コメントありがとうございます。
      カス案ですか…手厳しいですね。

      でも、こういうコメントを待っていましたよ。
      (もう少し丁寧な言葉遣いだともっと嬉しいのですが)

      また何か気づいたことがあったら書き込んでくださいね。

  • へのへの

    ちょっと言いすぎたね。
    それくらいこの問題と世間で議論されている解決策が乖離しているということ。現役球児や高校野球経験者なら恐らく「放っておいてくれ」というのが本音だと思う。理由はそれだけあの聖地を目指すことに魅力があるから。こればかりはやった奴にしか分からない。とはいえ酷暑酷使で将来の有望な選手達を壊してしまっている問題も解決しないといけない。最近取り入れられたタイブレークは個人的には賛成はしたくないがギリギリのラインかなと。1番の解決策はやはり日程を多くとることしかない。予選の開始を早くし甲子園開催期間も長くする。プロ野球との兼ね合いがあるのは百も承知だが予選の開始だけでも早くできれば疲労蓄積の緩和にはなる。これさえできれば球数制限や公立校の投手不足にも少しは対応できる。あとは甲子園大会においては予算を割いて、全校にマッサージ師の配備、全選手に酸素カプセル(効果があるかは知らんが笑)の用意等、疲労回復においてありとあらゆる対策を取り入れるのはお金で解決できる部分かと。あとは日程とは関係ないが華美なユニホームの禁止を無くしてもっと個性溢れるユニホームでなおかつ長髪も受け入れられるようになれば時代に沿った新しい高校野球文化が生まれると思うし選手減少の対策には少しはなると思う。ルーキーズの安仁屋のようなピッチャーが150キロ投げるのを見てみたい。

    • RiverSpring

      丁寧なコメントありがとうございます。
      確かに、すべてをささげてプレーしている球児(および関係者)にとってみれば、「放っておいてくれ」という気持ちになりますよね。
      ただ、一歩引いたところというか、俯瞰的な視野を持った人の意見に耳を傾けるのも重要なことだと思います。
      (私が俯瞰的な視野を持っている、という意味じゃないですよ。外野も外野のはるか遠い場所で好き勝手に言ってるだけなのは承知してます)
      そうした意見を取り入れながら、少しずつでも改善してほしいと願うばかりです。

    • RiverSpring

      書き忘れました。
      ユニフォームと長髪の件は、私も賛成です!
      見る側の立場からしても、個性的なユニフォーム姿でプレーする球児の姿を応援するのは楽しいものです。
      一番好きなのは、PL学園のユニフォームだったのですが休部してしまったのが残念です。
      天理高校のユニフォームも紫の色遣いがカッコいいと思います。
      あと、復刻ユニフォームの中京高にも期待してます。
      (写真で見る限り、Kの字は以前とは形が少し違ってるみたいですが)

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